画家 石井照洋(1944~2009)の絵画・版画などの作品をデジタルアーカイブとしてインターネットの世界に保存しておくためのもの。作成:いしいたける( http://loveandcomic.com/ )
2018年8月30日木曜日
[混合技法]土と草
[土と草]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・パステル・水彩・グアッシュ
かあさん知らぬ
草の子を
なん千万の
草の子を
土はひとりで
育てます。
草があおあお
しげったら、
土はかくれて
しまうのに。
( 金子みすヾ童謡集より)
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月29日水曜日
[混合技法]蓮と鶏
[蓮と鶏]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・パステル・水彩・グアッシュ
泥のなかから
蓮が咲く。
それをするのは
はすち゛ゃない。
卵のなかから
鶏がでる。
それをするのは
とりち゛ゃない。
それに私は
気がついた。
それも私の
せいち゛ゃない。
( 金子みすヾ童謡集より)
(石井照洋によるテキスト)
[混合技法]金子みすヾ童謡集より/ハチと神さま
金子みすヾ童謡集より/ハチと神さま
64x46cm
2004
和紙・チョーク・パステル・水彩・グアッシュ
[はちと神様]
はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちのなかに。
(石井照洋によるテキスト)
[混合技法]我生何処来(わが生 いずこより来たり)
[我生何処来]
53x42.5cm
2006
和紙・チョーク・水彩・パステル・グアッシュ
良寛の漢詩の一部を鉛筆で書き入れてある。
我生何処来 去而何処之
わが生 いずこより来たり 去りていずこにか之(ゆ)く
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月21日火曜日
[混合技法]金子みすヾ詩集より「石ころ」
金子みすヾ詩集より「石ころ」
53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・グアッシュ
きのうは子どもを
ころばせて
きょうはお馬を
つまずかす。
あしたはたれが
とうるやら。
いなかのみちの
石ころは
赤い夕日に
けろりかん。
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月20日月曜日
[混合技法]マタイ福音書5-4
[マタイ福音書5-4]
53x42.5cm
2004
和紙・水彩・パステル・グアッシュ
新約聖書のマタイ福音書5-4のイメージで描いた。
妻が通院していた聖マリアンナ病院に送り待っているときに、
カウンターに「どうぞご自由にお持ちください」と積んである新約聖書をもらい、
待ち時間で読んでいたらイメージが湧いてきたので、
聖書をもとに数点描いたもののうちの一つ。
Blessed are thos who mourn, For they shall be comforted.と鉛筆で書いてある。
(悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。の意)
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月19日日曜日
[混合技法]わたしと小鳥とすずと
金子みすヾ詩集より
「わたしと小鳥とすずと」より、
53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル・グアッシュ
「すずと、
小鳥と、
それからわたし、
みんなちがって、
みんないい。
の部分のみを使わせていただいて、
鉛筆で書いております。
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月16日木曜日
[混合技法]大漁
[大漁]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル
朝焼け小焼けだ
大漁だ。
大羽鰮の
大漁だ。
浜は祭りの
ようだけど、
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう。
(金子みすヾ全集より)
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月15日水曜日
[混合技法]人知なんて幻想…
[人知なんて幻想…]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル
人知なんて幻想なんですよ
空や水に訊いてみればいい
「この星は…
人間たちのためにだけあるのではないのですよ」
と答えるだろう。
(石井照洋によるテキスト)
[混合技法]自我はあると思いますか?
[自我はあると思いますか?]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル
自我なんて無いのですよ
花や草木に訊いてみればいい
「それは…
人間たちがあると思い込んでいるだけなのでしょう」
と答えるだろう。
64x46cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル
自我なんて無いのですよ
花や草木に訊いてみればいい
「それは…
人間たちがあると思い込んでいるだけなのでしょう」
と答えるだろう。
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月14日火曜日
[混合技法]国境はあると思いますか?
[国境はあると思いますか?]
64x46cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル
国境はあると思いますか?
鳥たちに訊いてみればいい
「それは…
人間たちの意識の中にだけあるのでしょう」
と答えるだろう。
(石井照洋によるテキスト)
2018年8月12日日曜日
[混合技法]Ora Ora de shitori egumo
[Ora Ora de shitori egumo]
.53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル ・グアッシュ
Ora Ora de shitori egumo. 宮沢賢治の詩「永訣の朝」の中の一行。
(私は私で、ひとりで逝きます)の意。
(石井照洋によるテキスト)
[混合技法]Eloi,Eloi,lama sabachthani?
Eloi,Eloi,lama sabachthani?
(神よ、なぜ私を見捨てたもうたか?)
53x42.5cm
2004
和紙・パステル・水彩・チョーク
磔にされたイエスが、
絶命寸前に叫ぶように発したこのことばが
印象的なシーンとともに心に残る。
「パッション」(映画)のクライマックスでもある。
(神よ、なぜ私を見捨てたもうたか?)
53x42.5cm
2004
和紙・パステル・水彩・チョーク
磔にされたイエスが、
絶命寸前に叫ぶように発したこのことばが
印象的なシーンとともに心に残る。
「パッション」(映画)のクライマックスでもある。
(石井照洋によるテキスト)
[混合技法]雀のかあさん
[雀のかあさん]
53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル・グアッシュ
金子みすヾの詩 「雀のかあさん」より
子供が子雀つかまえた。
その子のかあさん笑ってた。
雀のかあさんそれみてた。
お屋根で鳴かずにそれみてた。
(石井照洋によるテキスト)
53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル・グアッシュ
金子みすヾの詩 「雀のかあさん」より
子供が子雀つかまえた。
その子のかあさん笑ってた。
雀のかあさんそれみてた。
お屋根で鳴かずにそれみてた。
(石井照洋によるテキスト)
父の言葉「抽象画」「空の青さ」
(いしいたけるより)
父とは生前よく芸術について語り合ったんですが、特に記憶に残ってる内容がふたつある。
* 美そのものを描くための抽象画
* 空の青さに憧れて
父の作品の多くは抽象画だ。
父が言っていたのは、「具象では結局写真より写実的にはならない。美そのものを描くには抽象画のほうがいい」というようなことだ。
美というイデアを表現するのに、美のインスタンスである具象物を経由するとさらにそのコピーを描くことになるのでコピーのコピーになる。
抽象画のアプローチなら美にダイレクトにアプローチできると。
父が癌で亡くなる際、本人の希望で最後は自宅の父の部屋の父のベッドで迎えた。
最後に父と交わした会話で、父はなぜ自分が画家を志したのかを話してくれたらしい。しかしもう喋れる状態ではなかったので聞き取れた言葉はわずかだった。
それが「空の青さに憧れて…」だった。
空の青さに憧れたことが芸術に取り組む原点だったのだろう。
父とは生前よく芸術について語り合ったんですが、特に記憶に残ってる内容がふたつある。
* 美そのものを描くための抽象画
* 空の青さに憧れて
父の作品の多くは抽象画だ。
父が言っていたのは、「具象では結局写真より写実的にはならない。美そのものを描くには抽象画のほうがいい」というようなことだ。
美というイデアを表現するのに、美のインスタンスである具象物を経由するとさらにそのコピーを描くことになるのでコピーのコピーになる。
抽象画のアプローチなら美にダイレクトにアプローチできると。
父が癌で亡くなる際、本人の希望で最後は自宅の父の部屋の父のベッドで迎えた。
最後に父と交わした会話で、父はなぜ自分が画家を志したのかを話してくれたらしい。しかしもう喋れる状態ではなかったので聞き取れた言葉はわずかだった。
それが「空の青さに憧れて…」だった。
空の青さに憧れたことが芸術に取り組む原点だったのだろう。
[混合技法]にんげん
[にんげん]
53x42.5cm
2004
和紙・チョーク・水彩・パステル・グアッシュ
産まれたばかりのにんげんは、
右も左も識りません。
大人になった人間は、
優だ劣だと姦しい。(自作)
(石井照洋によるテキスト)
混合技法
● 混合技法について。
混合技法(Mix Media)というのはとても難しいような印象のネーミングですが、早い話がひとつの作品を描く時にいろいろな絵の具の種類や技法を使うことだということです。
ここにアップした作品は、和紙に鉛筆、コンテ、水彩絵の具、パステル、グアッシュ
などを使っています。
さらに洗ったり、削ったり、剥いたりと、かなりしつこく作業しています。
また、金子みすヾをはじめ私の好きな詩人の詩や詩の一部を鉛筆で書き入れております。
(石井照洋によるテキスト)
石井照洋 略歴
石井照洋(いしいてるひろ)
1944・横浜市生まれ
日本デザイナー学院卒
1969~70画家勝呂忠氏の手伝いで愛知県常滑の陶園にて陶板壁画の制作、各地の取り付けの手伝いなどに従事。
常滑の地元作家に触発を受けアーティストを志す。
その後独学で油彩の作品を描く。
コンクール展、団体展等、東京都美術館などで発表。
1975・ヨーロッパ8カ国に遊学。
40代よりフリー。油彩を離れ、和紙に混合技法の抽象のスタイルになる。
個展、グループ展などで発表。
現在は材質や表現方法にこだわらず自由に描きたいものを描いている。
特にドローイングとパソコンのコラボレーションに取り組んでいる。
最近は油彩の面白さを再発見したような気がして、また追求し始めている。
(2008年頃 本人によるプロフィール文言から)
当ブログについて
当ブログはいしいたける( http://loveandcomic.com/ )が作成し、実父である故・石井照洋(いしいてるひろ 1944~2009)の作品をデジタルアーカイブとしてインターネットの世界に残しておくことを目的としています。
できれば永久に残って欲しいものなんですが、私が死んだりGoogleが潰れたりしたらこのアーカイブも消えてしまうかもしれません。各種検索エンジンがキャッシュを作ったりしてなんだかんだで人類が滅ぶまではどこかしらかにデータが残ってくれればいいなと考えています。
最終目標としては、例えば100年後とかに父の作品(リアル世界での絵画作品)が世界を回った先の外国なんかで美術家に見出され、この作者はどういう人物なのだろうと検索されたときにちゃんと当人に行き着けるようにということが空想されています。
当ブログのコンテンツは、父が生前に作っていたが現在は消失してしまっているWebサイト「画房へようこそ」 をベースにしており、作品についてのコメントは基本的にそのバックアップデータからコピーしたものです。
リンク : データ未整理で取り急ぎグーグルフォトのアルバムにアップしたもの
できれば永久に残って欲しいものなんですが、私が死んだりGoogleが潰れたりしたらこのアーカイブも消えてしまうかもしれません。各種検索エンジンがキャッシュを作ったりしてなんだかんだで人類が滅ぶまではどこかしらかにデータが残ってくれればいいなと考えています。
最終目標としては、例えば100年後とかに父の作品(リアル世界での絵画作品)が世界を回った先の外国なんかで美術家に見出され、この作者はどういう人物なのだろうと検索されたときにちゃんと当人に行き着けるようにということが空想されています。
当ブログのコンテンツは、父が生前に作っていたが現在は消失してしまっているWebサイト「画房へようこそ」 をベースにしており、作品についてのコメントは基本的にそのバックアップデータからコピーしたものです。
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